Skip to content
1985年より、データと安心をお届けしています®

ハードドライブの「冷凍庫テクニック」が通用しない理由

frozen hard drive

冷凍庫。どうやら、アイスクリームや冷凍ピザを入れるためだけのものではないと考える人もいるようです。実際、ハードドライブを冷凍してデータを復旧する方法 は、かつてベストプラクティスとされていました。そうなんです、防水のビニール袋にドライブを入れ、冷凍餃子をどけて、ハードドライブを冷凍庫に入れるだけ。1時間ほど経ったらドライブを取り出すと、まるで魔法のようにデータにアクセスできる、というわけです。

すべてのテクノロジーのトラブルが、こんなに簡単に解決できたらいいのに……

もしあなたがハードドライブにこの極寒の仕打ちをしたことがある、あるいはしようと考えたことがあるなら、決して珍しいことではありません。実際、PC WorldからLifehackerに至るまで、多くの著名なテクノロジー情報サイトが、10年以上前にハードドライブの冷凍を支持し、推奨していたのです。

しかし、その後テクノロジーは大きく進歩し、失われたデータを復元するためのはるかに優れた代替手段が登場しています。大切なデータを永遠に失わないための最善の可能性を手にしたいなら(それは誰もが望むことでしょう)、ハードドライブを冷凍してデータを復旧する方法 がなぜ通用しないのか、そして大切な情報を守るにはどうすればよいのかを、ぜひ続きでご確認ください。

古い手法、新しいテクノロジー

「ハードドライブを冷凍すると、なぜ効果があるのか」と疑問に思うかもしれません。そもそも、この発想はどこから来たのでしょうか。突拍子もない話に聞こえますが、ずっと昔には、この説にもほんの少しだけ理屈が通っていたのです。

その前に、そもそもハードドライブはどのような仕組みで動いているのでしょうか。ハードドライブは、情報を記録する複数の磁気ディスク(プラッタ)で構成されています。データを読み出す際には、スピンドルがプラッタを回転させ、読み書きヘッドが目的の情報を見つけられるようにします。スピンドルが故障すると、ドライブに保存されているデータにアクセスできなくなります。

スピンドルの不具合にはいくつかの原因があり、その一つが潤滑の不良です。この場合、まずスピンドルが回転できなくなり、次にプラッタが回転できなくなり、最終的に読み書きヘッドがデータにアクセスできなくなります。理論上は、ハードドライブを冷凍する ことで部品が収縮し、再び正しい位置に揃う可能性があるというわけです。理にかなっていますよね?

この手法は非常に広く使われていたため、一部のハードウェアメーカーは、ロックアップが起きた場合にハードドライブが復活する可能性を高めようと、極低温の環境でも動作するようにマシンを設計したほどでした。

冷凍する前に、ちょっと待って!

しかし、ハードドライブを冷凍庫に入れる前に、知っておくべきことがいくつかあります。現在のハードドライブははるかに高度化しているため、冷凍がもたらす影響もはるかに大きくなっています。ハードドライブは今や、信じられないほど精密な寸法で作られています。冷凍庫テクニックの核心である、ごくわずかな位置のずれであっても、読み書きヘッドがハードドライブを読み取る能力に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、潤滑の問題はほとんど過去のものとなっています。潤滑を担うシステムが大幅に改良されたためです。たとえ潤滑の問題が発生したとしても、ドライブは通常データをプラッタの外側に保存するため、いずれにせよ情報が損なわれることはありません。

結論として、最新のハードドライブは、冷凍によって解決できたような潤滑の問題の影響を受けにくくなっています。ハードドライブの故障は、ほとんどの場合、ハードウェアではなく論理的な問題によって起こることがわかるでしょう。したがって、ハードドライブを冷凍することは、ドライブを永久に破壊してしまう可能性があるだけで、何の効果もありません。

特定のハードウェア、あやふやな結果

ハードドライブを救おうとしてこのテーマを調べていると、おそらく冷凍が成功した事例を目にするでしょう。確かに、冷凍庫に入れることで好ましい反応を示すハードドライブが、ごく一部には存在する例もあります。しかし、こうしたまれなケースであっても、ハードウェアを破壊してしまう危険性は現実のものです。

具体的には、データストレージ容量が10GB以下のハードドライブでは、冷凍後にデータを取り出せる可能性があります。これは、こうしたドライブが非常に高い温度で問題を起こしやすいことで知られているためです。スピンドルがロックアップした場合、ハードドライブを冷凍する ことで摩擦が軽減され、スピンドルが再び正常に機能する可能性があります。

ガタガタと震えるような音が聞こえる場合、ドライブにスピンドルの問題が発生していると判断できることがよくあります。この状況では、ドライブはデバイスに認識されるものの、情報にアクセスできるようになるずっと前に認識が途切れてしまいます。

ハードドライブに電力が供給されていて、ディスクが最適な回転数で回っているのであれば、スピンドルの不具合は起きていません。その場合、ハードドライブを冷凍庫に入れても 時間を無駄にするだけで……部品を腐食させてしまう可能性もあります。

冷凍がドライブを損傷させる仕組み

ハードドライブを冷凍すると、ドライブ内部の水蒸気はすべて氷の結晶に変わります。冷凍庫からドライブを取り出すと、その氷の結晶が溶け始めます。残った水分は、ドライブの重要な電子部品を損傷させる可能性があり、実際にしばしば損傷させてしまいます。

さらに、完全に解凍される前にドライブを使用すると、ヘッドが回転中のハードディスクプラッタに衝突し、データが永久に失われる可能性があります。

いずれにせよ、この方法はもはやデータを復活させる有効な手段ではないことを考えると、ハードドライブを冷凍するリスクは、取る価値がまったくありません。

恒久的な解決策ではない

たとえこの処置に反応するハードドライブを持っていたとしても、そしてたとえ解凍後の結露水で部品が腐食するのをどうにか避けられたとしても、これは決して恒久的な解決策ではありません。

スピンドルや潤滑の不具合には、必ず根本的な原因があります。ハードドライブを冷凍することは、原因ではなく症状に対処しているにすぎません。もし(そしてこれは非常に大きな「もし」ですが)ハードドライブを復活させることに成功したなら、再びロックアップする前に、できるだけ早くデバイスからデータを取り出すことが目標になるはずです。

まず、最も重要な情報から取り出しましょう。そうすれば、作業が終わる前に再び故障が起きたとしても、自分にとって最も大切なものは確保できたと安心できます。デバイスからデータを取り出す際には、必ずバックアップも取っておき、将来これが大きな問題にならないようにしましょう。

バックアップ、バックアップ、バックアップ

バックアップといえば、念のためもう一度言っておきます。バックアップを取ってください。第一の防衛線であり、データを守るための最善の策は、バックアップを取ることです。

情報をバックアップする方法はたくさんあります。一部のパソコンには、バックアップ機能があらかじめ組み込まれています(Windowsバックアップや、AppleのTime Machineなど)。ぜひ活用しましょう。スケジュールを設定して、面倒な作業はパソコンに任せてしまいましょう。

クラウドベースのバックアップサービスを利用する方法もあります。Googleのスイートをはじめ、無料のクラウドストレージには多くの選択肢がありますが、無料で利用できる容量には限りがあります。バックアップすべきデータが多い場合は、追加ストレージを有料で購入し、元の高品質な形式のまま情報を保存することを検討しましょう。

昔ながらの外付けハードドライブもあります。耐火金庫や貸金庫に保管できるため、非常に優れた手段です。ただし、通常は仕舞い込まれているため、必要な頻度で更新されないことがあります。また、万が一災害が起きた場合、火災や水害による損傷を受けやすいという弱点もあります。

誰もがデータのバックアップを習慣にすべきです。それこそが、情報を守るための最も確実な方法なのです。

ハードドライブ復旧の専門家に相談する

原因が何であれ、ドライブが動かなくなったときには、ハードドライブのデータ復旧エンジニアが最善の選択肢です。たとえ望みがないと思えるような状況でも、大切な情報をハードドライブから取り出すお手伝いをするのが彼らの仕事です。

データ復旧のツールや技術は、今日のハードドライブ向けに特化したものになっています。ご自身で情報を復旧しようとすると、最初の試みが最後の試みになってしまうこともあります。冷凍庫に最後の1個の冷凍餃子しか残っていなければ、焦がさないよう細心の注意を払うはずです。ハードドライブだけが例外であっていいはずがありません。

ハードドライブ復旧の専門家に依頼すれば、ハードドライブが故障した際に最良の結果を得ることができます。ですから、ハードドライブを寒空の下に放り出さないでください。ハードドライブを冷凍庫に入れる誘惑に打ち勝ち、今すぐDriveSaversにご連絡いただき、データを取り戻しましょう!

Mike Cobb(マイク・コブ)、エンジニアリング部門ディレクター 兼 CISO(最高情報セキュリティ責任者)

エンジニアリング部門のディレクターとして、Mike Cobb は回転メディア、SSD、スマートデバイス、フラッシュメディアの物理的および論理的なデータ復旧を含む、エンジニアリング部門の日常業務を管理しています。また、過去、現在、将来のストレージ技術に関する研究開発活動も監督しています。Mike は成長を促進し、各部門とそのエンジニアが自分の分野で知識を深め続けることを保証しています。ドライブセイバーズ の各エンジニアは、データの成功かつ完全な復旧を最優先事項とするよう訓練されています。

CISO(最高情報セキュリティ責任者)として、Mike はドライブセイバーズ のサイバーセキュリティ全般を監督しており、SOC 2 タイプ II 準拠などのセキュリティ認証の維持・更新、社内セキュリティポリシーの調整、従業員へのサイバーセキュリティ教育などを担当しています。

Mike は 1994 年に ドライブセイバーズに入社し、カリフォルニア大学リバーサイド校でコンピューターサイエンスの学士号を取得しています。

このページのトップへ
検索